PR

自動車の自動ブレーキ機能は雪国では無意味だと思う

記事内に広告が含まれています。

近頃、最新技術として自動車の自動ブレーキ機能についてよく取り上げられています。
特に日産のCMが頻繁に流れている印象です。
この機能は人や車などにぶつかりそうな場合に、車が自動でブレーキをかけて安全に止まれる、というものです。
警報などに依って運転者に知らせて、それでも回避されない場合に自動ブレーキがかかるという仕組みです。
実際に雪国に長年住んでいる筆者は、冬時期にこの性能を使うことは疑問に思います。
ちなみにこの記事の内容は、主に凍結路面などに慣れていない人向けに書いています。

安全性を謳っている内容ですが、雪国に住んでいる筆者からすれば、警報は良いとしても自動ブレーキは意味が無いどころか、逆効果にもなる可能性があると思いました。
思うのは、この性能は凍結路面で試したのか?ということです。

参考までに、よくスタッドレスタイヤのCMでよく止まることを印象付けるシーンが流れていますが、はっきり言ってあの状況で止まれるのは路面がマシな時だけです。
信号で止まる際にブレーキが効くことをアピールしていますが、大抵の雪国で暮らしている人が見ればあのタイミングでブレーキを踏んだらタイヤがロックして、しばらくは止まらないだろうということは容易に想像が付きます。

それはさて置き、CMで見られるような自動ブレーキが実際に発動したら、凍結路面ならまずタイヤがロックして横滑りするでしょう。
ABS(アンチロックブレーキシステム)というのがありますが、これは急ブレーキを踏んだ場合でも、断続的に制御することに依ってタイヤがロックすることを防ぐ目的があります。
つまり何を意味するかと言うと、タイヤがロックしたらもうどうしようも無い、というのが雪国に暮らす人が持つ一般常識なのです。

筆者の体験で一番怖かった状況があります。
・街を通る主要な国道の直線でノロノロ
・車は四駆のバン
・スタッドレスタイヤは慣らし走行も済ませ、溝も十分にあり万全の状態
・時速10km以下の低速走行
という状況でも滑ります。
冬の道路で最も怖いのは、雪道ではありません。
雪が降って、それが日中解けて、夜以降に凍結する場合です。
それでもかなり滑りますが、そこから気温が上昇したり車の熱で少し解けて薄く水の膜が出来ている状態だと、上述の様な低速走行で、タイヤがロックしていなくても滑ります。
これが坂道ならしばらく止まらないでしょう。
雪が乗っている状態ならまだ安全です。

つまり、やや解けた凍結路面で自動ブレーキを使えば、まず制御不能になる可能性が高いでしょう。
それでもこの機能が全く意味が無いとは思いません。
冬場以外でなら、脇見運転などで効果があるでしょうし、万が一の対策としてはあって良いでしょう。
しかし雪国に住むならこの機能は”無い”と思った方が賢明です。
筆者としては、CMでデモンストレーションしているような状況を、凍結路面でも再現して放送してみては?と思います。

結局何が言いたいかというと、この性能の安全性を宣伝に利用していることに疑問があり、そしてその安全性が日本では不向きだということ。
最近は自動運転とか先進技術として紹介されることが多くなったけど、映画でよく見られるような空中を走る自動運転車に感化されているのだろうと思う。
しかしながらそれは路面に接していないから、道路状況が整備されているから意味があるわけであって、自動運転も自動ブレーキも路面状況を考えれば少なからず油断を助長する可能性が高いのではないかと思う。
そもそもこういう事態を招くような人は運転すべきでは無いし、そういう人が運転することを前提として機能が作られているように思えてならないのである。
つまりCMを見ていて「何か観点がずれているんだよな~」と思えて、その性能を宣伝文句に使うのはどうかと考えるわけです。

自動ブレーキ機能は不要とまでは言わないけれど、雪国に住んでいる多くの人は無意味だと感じていることでしょう。

タイトルとURLをコピーしました